リリなの小説(stsパラレル)
□第2話
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〈裄哉side〉
赤い宝石から突然眩い光が俺達を襲った……
とっさに俺は両腕で自分の身を庇ったが……
たいした痛みや怪我は感じなかった……
やがて光が晴れて目を見開くとそこには
「何だ……これは……」
目の前の光景にそう呟くしかなかった……
俺の立っている周りは火の手が上がり、悲鳴をあげて逃げ惑う人々、建物らしき物はボロボロで見る影もない
それに伴って血の臭いが俺の鼻をくすぐる
この騒ぎで沢山の人々が巻き込まれたのだろう……
俺はこの光景を眺めつつ確認していたが
―やがて
「くっ……」
めまいが襲い思わず額に手を当てた
昔の血が騒ぎ出した
この周りの人々の血や火の海が本能を呼び起こす
「あそこか……」
俺は大きな気配を感じ、その場所に足を進めた。
これが平穏な世界から戦いの世界に切り替わる瞬間だった