極上小説
□平和な日常
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今日も特に何もなくすぎていく平和な一日。
こんな日が…ずっとつづけばいいと思うけど…
そんな願いは脆くも打ち砕かれる。
「奈々穂。あーんして」
「あっ!ずるいですわ!会長!私も奈々穂さん!」
…両方から来る甲高い声。
今、私の状態はというと…
端から見れば、両手に花な状態
でも…私にしてみれば…ちょっと、いや、かなり怖い状況…
学園の食堂の一角に私、奏、そして久遠で座っている…
私の右に奏、左に久遠な状態。
…このところ…何でこの二人はこうなんだろうか…
「奈々穂さん!奈々穂さん!」
「えっ…何?」
不意に左から声が聞こえて、私は我に返ったように返事をして久遠のほうに顔を向ける。
見ると、久遠はどことなく不機嫌な顔をしていた。
「ですから、私と会長のご飯…どちらを食べるんですの?」
「えっ…」
「両方って答えはダメよ?…さあ、どっち?」
ちょっと…待ってくれ…
二人とも目が真剣で…
私を選ばなかったらひどいぞって…二人の目が語ってる。
ど、どー……する、かなあ…
まわりの好奇な視線も手伝って、かなり気まずい雰囲気だ…