頂き物、捧げ物

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特別だよ!!


さっきから、アホ毛を揺らしながら、半田は腕組みして首を傾げている。マックスはスポーツドリンクのボトルを傾けながら小さく笑った。

「べーっつにイイんじゃないの?今まで通りでさ〜」
「んん…でも考えるって言ったし…」

半田が考えているのは、マックスの新しいあだ名。仮にも恋人同士であるのだから、特別な呼び方をしたいと思った。
しかし、いざ考えるとなるとなかなか名案は浮かばないし、思いついてもしっくり来ない。だから、かれこれ一時間も悩んでいるわけだ。

「師匠さ〜、ゲームの主人公の名前考えるのに1日費やすタイプでしょ」
「違うよ、ぜんぶ『しんいち』だもん」
「アハハ、安直〜」

マックスはというと、先程から飲み物を飲みながら駄菓子を食しているという大変リラックスした状態。一瞬『ねこ』というあだ名が浮かんだが、また安直と笑われそうだったし呼びにくいので提案するのは辞めておいた。

「マックスは何か希望ないのかよ」

とうとう考え疲れ、本人に聞いてみる。マックスは帽子の片耳をミョンと伸ばして一言答えた。

「師匠が呼んでくれるなら、ボクは何だって嬉しいよ」
「…そういう答えは卑怯だ」

悔しいけれど、そう言われてしまえばこれ以上意見を求めるわけにもいかない。半田は、クスリと笑って立ち上がった。

「お、何、決まった?」

マックスが、素早くボトルを鞄に戻してすり寄って来る。その頭をワシャワシャ撫でて、半田は肩を竦めた。

「とりあえず、保留。今はまだ、マックスが一番呼びやすい」
「うん、ボクも一番呼ばれやすい」

二人並んで部室を出れば、外はすっかり真っ暗闇。マックスが、半田の手を握ってきた。
これくらい暗ければ、きっと手を繋いでることに誰も気付かないだろうから、半田も大人しく従う。

「因みに、師匠は呼び方が進化すると師範になるからね」
「何ソレ…」
「ふっふっふ、格好良いね〜」
「や、別にそうでもないから…」

他愛ない会話を交わしながら、二人で帰路に着いた。

なんであれ、キミが特別なことに変わりはないのだ。

END

後記:こないだ書き納めた筈だけど松半。この二人はずーっとホノボノしてて欲しいですよね。お互いが傍に居て一番落ち着く存在だから、とりあえず居るだけでいいの!!ひゃっは、素敵(オカシイ)
リク&閲覧あざす!!
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