頂き物、捧げ物

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特別なのか?


「染岡、連れション行こうよ」

昼休みに、わざわざC組まで訪ねてきてニコニコしながら半田の吐いた台詞に、染岡は思わず牛乳を吹き出した。正面にいた一ノ瀬が嫌な顔をしたがこれは仕方ない。明らかに半田のせいだ。

「うわ、汚いな染岡」
「お前のせいだろがっ!!」

さも自分は関係なさそうな顔で平然と抜かす半田に怒鳴ってから、染岡はひとしきり咳き込む。牛乳が気管に入った。

「で、行くの?行かないの?」

今までの流れをぶったぎり、半田はいきなり話を戻す。

「行かねーよ!!」
「なんで?」

勢いでキッパリ否定すれば、半田は目を細めて顔を近付けてくる。口元は優しげに微笑んでいるのに、雰囲気は全く笑っていなかった。

「円堂とは良く行くよね。クラスの奴とも一年生とも行くよね。でも俺は駄目なの?なんで?」

まるで染岡の答えを予想していたような、矢継ぎ早な問い掛け。こういう時の半田に嘘を吐くと、後が恐いと染岡の本能は告げていた。

「お前…絶対変なことするだろ…。だから、行かねぇ…」

てっきり何かされるかと思ったが、染岡の蚊の鳴くような声に対する半田の反応は、全く予想外のもの。ニマリと口角を上げ、そのまま染岡の耳元に囁いた。

「それって、俺のこと意識してるって、こと?」
「は?な…」

違う…と言おうとした唇が、半田のそれで塞がれる。傍目には分からないくらい、短い口付け。

「他の奴は良くて俺だけ駄目ってことは、俺のこと意識してるってことだろ?」

半田は、顔を離すと真っ赤になった染岡を見下ろして言った。

「正直に言ったから今日は許してあげるよ。次断ったら、これくらいじゃ済まないけどね」
「っ…」

言葉に詰まる染岡を尻目に、半田はゆったりした足取りで、何事もなかったように教室を出て行く。

「な…何で俺が悪いみたいになってんだよ!!」
「染岡、そゆことは本人に聞こえるように言わなきゃ」
「うっせー!!」

一ノ瀬のツッコミを一刀両断して、染岡は頭を抱えた。
だって、真正面から言えば何をされるか分かったもんじゃない。けれどそれが意識していると言うことならば…

まさしく、その通りだ。

END

後記:Q。何で半染の半田様は鬼畜になるんですか?
A。染岡が受けっ子だからです。
まさしくその通りだ!!閲覧あざす!!
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