頂き物、捧げ物

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ブラックラッピング


浅黒い足に、クルクルと白いラッピング。

「おい、止まれ」
「ありゃ?」

足首の怪我よりだいぶ上まで巻かれた包帯を押さえ、染岡はマックスを睨んだ。
上から見下ろしているので迫力倍増の染岡のしかめっ面。しかしマックスはさして気にする様子もなく、余分に巻いた包帯をほどいた。

「何してんだよ何回も。器用だっつーから任したのによ」
「あっはっは、ドンマイ。待って次は成功するし」

ほどけた染岡の包帯を、マックスが巻きたいと申すので任せてみたのだが、先程からこの調子で一向に終わらない。
いい加減自分でやった方が早いのではないかと染岡が思い始めた頃、ようやっと作業が終了した。

「おしまい」
「遅ぇんだよ、不器用」

足をブラブラさせ巻き加減を確認しながらボヤいた染岡に、マックスは意味深な笑みでもって返す。そしてしゃあしゃあと言ってのけた。

「本当は簡単だったけど、このアングルから見る染岡に気を取られちゃって」
「……は?」

意味を理解するまで、数秒。理解した途端に、顔が熱くなった。

「なっ…な…」
「理由がないと染岡、触らせてくれないしね〜」
「ったりめーだ馬鹿っ!!」

カラフルなネコミミを、染岡は力任せにひっぱたいて自分のベッドに潜り込む。
頭から被った布団越しに、クスクス言う笑い声が聞こえた。

「またほどけたら、ボクが巻き直してあげるね」

心の底から遠慮したい。
妙なところまで器用過ぎるのだ、このネコミミは。


END


後記:器用×不器用?…になってるでしょーかコレ…。
染岡は手も不器用だと可愛いと思います。
梓さま、リクあざす!!
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