頂き物、捧げ物

□2010お正月フリー
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鐘の音、終わりと始まり。


最初の一回、ひとつの終わりを告げる鐘。

「ううぅ…ゾワゾワする」

マックスは、コッソリ呟いて眉を潜めた。
初詣の神社、大きすぎる鐘の音は、めでたいと言うより何だか不気味で。108回も打ち付けてしまったらそこから罅が入って世界が砕けてしまうのではないかと思った。
こんな馬鹿な話を考えるのは自分だけに違いない。だから、絶対に口には出さなかった。

「…帰ろうか」

お賽銭箱に続く行列はまだまだ先も長い。
隣に立っている半田が、突然言った。

「え?なんで?」
「だって、マックス困った顔してる」

マックスは、自分は無表情な方だと自負する。今だって、この鐘が苦手なことが特に半田にバレるような態度は取っていなかった筈だ。しかし、不思議なことに半田には伝わってしまう。
行列を離れながら、マックスはチラリと半田の横顔を見上げた。

「ん?」
「あのね、師匠…。笑わないで聞いてくれる?」
「ゴメン、そう言われるともうニヤけてくるんだけど…」

馬鹿な話に共感はいらないけれど、分かってください。キミが頷いてくれたら、それだけで新たな光が見えるから。
あけましておめでとう!!


END
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