ぷらりじなる!

□CoCシナリオ「不浄の子」
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【不浄の子】

CoCシナリオ。半クローズドのようなものです。
NPCと幼馴染という設定にしてください。探索者が複数人の場合は、関係性などは問いませんが、必ず一人はNPCと幼馴染にしてください。
NPCの名前と性別は自由に変えてください。

PL難易度
中級者向け。上手くブラフを避けてベストエンドに行けるように頑張ってください。

KP難易度
高め。NPCの動向に注意してください。

推奨技能
目星、図書館、電気修理、運転。コンピューター。

発狂率
探索者は低め。NPCは高め。

導入
ある日のこと、探索者に電話がかかってくる。それは、探索者の幼馴染であり今も数ヵ月に一度は会う仲である「御東昌樹(みあずましょうき)」からの連絡だった。御東は、探索者にこう話す。
「長らく音信不通だった父親が…亡くなったんだ。他に身内もないので自分が父親の暮らしていた実家と遺品をどうにかしないといけないんだが、心配なことがあって。一緒に来て貰えないだろうか。その代わり、遺品の中に探索者が欲しい物があったら譲るよ。探索者の今度の連休に合わせるから、付き合って貰えないだろうか」
電話口の声は、いつもよりも暗く不安気で何か言い淀んでいる。
※この時点で出来るのは、昌樹への心理学、聞き耳、昌樹の父親に関する図書館での情報収集。心理学では昌樹がとにかく独りで実家に戻るのを嫌がっていると感じる。聞き耳で、声が泣きそうに震えていると分かる。昌樹の父親に関しては、重要NPC欄を参照ください。
かくして探索者の連休初日、御東と探索者は御東の実家へと向かう。

ストーリー背景
御東昌樹の父親は「御東紺太(こんた)」という。彼の妻であった「御東希代子(きよこ)」は生れつき病弱で、紺太は希代子の体質を改善するために様々な医学や生き物の細胞を研究をしていた。
紺太は思い付いた限りの方法で希代子を救おうとしたが全て上手くいかず、やがて彼は医学的なものからオカルトへと研究対象を変えた。彼は世界各地の伝承や神話をかき集め、とある神話生物の存在を知る。それは、アブホースという無限に落とし子を生み出す不定形の外なる神だった。その再生能力に目を付けた紺太は、長い旅の末にアメリカの僻地で外なる神アブホースの落とし子を発見し自身の研究室に持ち帰り研究室の地下に保管した。
紺太は縋るような思いでアブホースの落とし子から取り出した細胞を希代子に移植し、希代子の容態はそれにより一時的に回復。しかし、出産したことにより再び体力が低下し数カ月後に希代子は死去した。
紺太と希代子の間に生まれたのが昌樹だったが、紺太は妻の死という現実を受け止められず、昌樹になかなか愛情を示すことが出来なかった。
また、昌樹はアブホースの落とし子を体内に宿した希代子から生まれたため傷の治りが極端に早く、時たま灰色の何かを口から吐き出したり、夜中にフラフラと家の中を歩き回ったり(昌樹の中のアブホースの落とし子が、地下にある本体に引き寄せられている)した。このままでは昌樹まで失うのではないかという思念に取り付かれた紺太は、昌樹からアブホースの落とし子を取り除く研究に没頭し、その態度は昌樹に父親から避けられていると思わせるには充分だった。
同じ家に住んで居ながら紺太と昌樹は殆ど会話もなく、昌樹は高校進学と同時に独り暮らしに。紺太は、昌樹がアブホースの落とし子から離れたところで暮らしていくなら影響も減るだろうと考え独り暮らしに賛成した。だが、昌樹はそれで決定的に父親は自分に興味がないのだと思い込んだ。
紺太は自宅の研究室で昌樹を救うための研究を続けていたが、ある日成長した落とし子から分離した更なる落とし子に襲われ死亡した。警察には死因は原因不明の急性心不全と判断されたが、昌樹は何となく父親の死の原因は自分にあるのではないかと考えている。

目的、クリア条件
御東昌樹は、父親に対し諦めのような感情を持っている。探索者は、紺太が昌樹に愛情を持っていた痕跡を探し出し昌樹に伝えることが目的となる。
また、御東家の地下には20年以上かけて成長したアブホースの落とし子がいる。ベストエンドを迎えるには、探索者や紺太が昌樹に人として生きて欲しいと思っていることを事前に伝えた上で、アブホースの落とし子本体と昌樹を対面させアブホースの落とし子との繋がりを断ち切らねばならない。

重要NPC
御東昌樹(みあずましょうき)
料理人 HP14 MP8 (年齢は探索者と同じ)
STR12 CON18 SIZ11 INT13 POW8 DEX10 APP14 EDU16 SAN40(一時間に8以上の減少で不定の狂気「四肢機能の障害:利き手」を発症します。探索者に隠そうとして動きがぎこちなくなり、手を使う技能に-30の補整が入ります。一時的狂気は1D10で決めてください)
知識70 アイディア65 幸運40
目星80 聞き耳80 信用40 生物学61 博物学50 歴史70 他の言語(イタリア語)50 製作(料理)70 小型ナイフ55 回避50
探索者と小学校、中学校がずっと一緒のクラスで腐れ縁的な仲の幼馴染。高校に入って進路を違えてからも連絡は欠かさず、成人した後も探索者とは度々遊んでいる。
家族と不仲で頼れる人が居なかったので、幼い頃から仲良くしてくれた探索者を兄弟のように慕って大事に思っている。反面、探索者に見捨てられることをとても恐れているのでどこか遠慮もしている。
自分の出生の秘密は知らないが、自分が他人と違っていることは薄々自覚している。気持ちが不安定な時は、実家の地下に居るアブホースの落とし子に強く引き寄せられてしまう(昌樹が5回技能を使う毎にPOW×5でダイスロールし、失敗したら地下のアブホースの元へ向かう。止めるには探索者と昌樹のDEXで対抗ロール)。SAN値が一気に3以上減った時、昌樹は蹲って苦しみ出す。その時にPOW×3でロールして失敗したら口から灰色の粘液のような物(アブホースの落とし子の一部)を吐き出す。粘液に目星で、表面が滑るように流動していることが分かる。この行動の後、昌樹はSAN値を更に1減らす。

アブホースの落とし子
地下に閉じ込められたまま小動物を糧に成長し、今や地下室を一杯にせんばかりの大きさになっている。昌樹の中に居る落とし子の欠片は、この本体に引き寄せられているが、地下への入り口が塞がれている間は特に害はない。

御東紺太(みあずまこんた)
御東希代子の夫で、御東昌樹の父。遺伝的病と疫病、それに関する薬の研究で一部の間では有名。だが、昌樹が産まれる2年ほど前から表舞台でその姿は見掛けられていない。
先日、自宅で亡くなっているのが発見された。侵入者の形跡はなかったが体のあちこちに絞められたような痕が残っており、謎の死としてネットで話題になっている。
昌樹に聞けば、父親の研究のことはよく知らないが、自分が産まれてからもそれは熱心に研究していたと思う。自分にはよく分からない難しいことだった、と教えてくれる。
オカルトに成功すると、追加情報。紺太の死には不審な点が多く、超常現象的な何かが死因ではないかと一部のオカルト掲示板で噂されていることが分かる。(ここまでが探索者が得られる情報。下はKP情報)
希代子が亡くなり数年後、紺太は昌樹が灰色の粘液を口から吐き出したり、夜中にフラフラと歩き回るのを見て、アブホースの落とし子のことに思い当たる。地下に保管したアブホースの落とし子は、その頃には紺太にもどうしようもない程に成長していた。このままでは息子がこの化け物に殺されてしまうと思った紺太は、それ以降アブホースの落とし子を消滅させる研究に没頭していた。

御東希代子(みあずまきよこ)
御東昌樹の母親。産まれたばかりの昌樹を残し他界した。希代子は生れつき体が弱かったせいで、結婚にも出産にも消極的だった。だが、紺太のおかげで一時的ではあるが人並みの生活が出来て幸せだったと思っている。
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