ぷらりじなる!
□冷製ハニー
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「お前がそんな顔してっと調子狂うんだよ。考えてる事、言ってみろ」
「……」
キイチに睨み付けられたが、思いを口に出すのははばかられた。
キイチの気持ちを疑っているなんて思われたくない。かと言って、こんなモヤモヤした気分を抱えたままこれからも過ごすのは、シロウもごめんだった。
「キイチが女の子だったら、もっと楽だったのかなって……」
「はぁ?」
キイチは、強面を更に不機嫌そうに歪めて疑問を露わにする。
それはそうだ。なんの脈絡もないのに、いきなり女の子だったらなんて言われたら、誰だって驚くだろう。
「いや、別に女の子になって欲しいわけじゃないよ!ただ、そしたら今みたいに他の子にアピられたりしないだろうし、人前で堂々と手ェ繋いだりも出来るし……」
慌てて言い訳しながら、シロウは何となく何故自分がこんなに悩んでいるのか分かった気がした。
「俺、どんな時でもちゃんとキイチの恋人でいたいんだ」
「恋人だろ?」
「違くて!」
周りに聞こえないように話していた筈なのに、知らずシロウの声は大きくなる。
「だって、今だって俺が女の子に手ェ振られても平気な顔してるし!平気なの?嫌じゃないの?」