バリハケン・ミスフル

□甘い、甘い。
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べちゃ。




と、音を立てて顔にパイがへばり付いた。先ほど我藤が投げてきたものだ。

「…我藤。これどういう意味?」


体中パイのクリームまみれで気持ち悪い。なんだかパイ特有の甘ったるい香りも鼻につく。
まったく朝からなんでパイのクリームまみれにならないといけないの。


「我藤。殴っていい?」

ブラックスマイルを浮かべて我藤のほうを見るとなんだかニヤニヤしながら近づいてきた。

「体、洗おうぜ」

にかっ、とはにかんだ笑顔を浮かべて僕の手を引き歩きだした我藤の後ろ姿は嬉しそうだ。
くそ。

なんで僕がこんな



我藤のお遊びに付き合わないといけないの?



でも。




たまにはこんな日もいいかな。






「我藤。後でお返しね?」








end 


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