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□蝕まれた蝶
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朝日が今日も目にしみる。
重たい体を持ち上げてあくびをひとつ漏らして、ふと隣を見てみると、この腰の痛みを作った張本人がまだ眠っていた。
「牛尾、」
時計を見れば8時すぎ。
今からでは学校の授業にはギリギリ間に合うか間に合わないかの時刻だ。
「牛尾、遅刻する也」
「、ん…」
体を揺すれば、甘い吐息を漏らして寝返りをうつ。
牛尾のそんな様子を見て蛇神は小さく微笑んだ。
「……尊」
「!!な、何故に?」
「好きだよ…君が居ないと僕は死ぬぐらい……」
「……………我も也」
蝕まれた蝶のように2人はお互いを求める。
蝕まれた蝶
(もう離れられない)