WJ系よろず

□ピアノの音色
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今日の夜にボンゴレとミルフィオーレのお偉いさんが集まるパーティーがあるらしい。



なんだかウチもでないといけないみたいで正装するのがめんどくさい。




でもちゃんとしないと白蘭サンがうるさいんだよな…




しぶしぶ研究室を出て自分の部屋へ戻る。

中に入ってクローゼットにあるはずのスーツを取り出して着る。


スーツ特有の動きにくさがうざったかったがそこらへんはあきらめて白蘭の部屋へと向かった。




今は午後四時。




パーティーが始まるまであと一時間。










パーティーが始まった。
控えめの音楽に混じるファミリーの人たちの声がうるさいほど耳につく。



「酢花゜さん」



「ん?」


ふと後ろから話しかけられて振り返れば、いつか見たことがあるような気がする女が立っていた。




「どちらさん?」



「酷い…私ですよ!婚約者のシュリフェです!!」




名前を名乗られてもわからない。



化粧が濃くてケバい女になんか興味もない。




「すいません。さいなら」



その場を足早に立ち去る。


気分が悪くなってきたので一旦パーティー会場を後にすることを決めた。










「めんどくさ……」


そう呟いて壁にもたれ掛かるとふとピアノの音色が聞こえた。






「これ…ショパンの月光?」









その音に吸い込まれるようにふらふらと近くの部屋へと入ると一人の男がいた。


獄寺隼人だ。




ボンゴレファミリーのボスの右腕で名が通っていて、モスカや機械をいじること以外に興味を持たない酢花゜の耳にもその評判は届いていた。

「……酢花゜?」


「なんでウチの名前」


「俺が五歳のころにちっさいモスカくれただろ?まだもってるぜ」



「あの時の日本人は隼人だったんだ…」



懐かしいような、
嬉しいような感情が入り混じって声にならないような笑みを2人はこぼす。





「気持ち悪いかもしれねぇけど、俺酢花゜が好きだ…///」





「……………」




沈黙してしまった酢花゜を見て獄寺は切なげな表情になる。



「酢花゜…「ウチも、獄寺が好きだよ」




「は……//?」



ちゅ



獄寺の頬にキスを落として酢花゜は笑った。









ピアノの音色





(空白の年月を今2人で埋めよう。)






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