□shell
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あなたが笑うたびに


わたしは胸が苦しくなる


−shell−


「ゆーみちゃん♪」

「ぎゃう!!」

聖が抱き着き祐巳ちゃんが怪獣の泣き声みたいな声をあげる
ここで祥子がヒステリーをおこせば完璧だがあいにく今日は来ていない


「いやー
相変わらずいい反応してくれるねぇ」

ニヘヘと笑う

「でも祥子がいないと楽しさ半減だなぁ」

「ロッロサギカンティア!!」

祥子がいない分静かだけど
このままじゃ永遠に続きそうだ
今日は思う存分堪能するぞ〜などと言っている聖をみながら思う
しかたなく書類をまとめていた手をとめる

「白薔薇様あんまりわたしの孫をからかわないで頂戴」

ありゃ
蓉子がいたか
などといいながら祐巳ちゃんから離れる

ほっとした様子の祐巳ちゃん

「それと二人とも
今日の会議はなくなったから帰っていいわよ
さっき祥子が祐巳ちゃんに伝えにいったんだけど会ってない??」

「えっ!?」

「やっぱり会ってないのね
クラスにいくって言ってたけど」

5分前に出ていったところだから今頃教室についてるだろう

「わっわたし探しにいってきます!!
ごきげんよう
赤薔薇さま白薔薇さま!!」

すごい勢いで扉をあけて出ていってしまった

また手を動かし始める

「あーあ
祐巳ちゃんいっちゃった
やっぱりお姉さまの力はすごいねー」

敵わないな
と肩をすくめる



聖とふたりっきり


いままでで何度目だろうか



こんな状況は



 
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