それは講義が終わって帰ろうとしていたときだった−


「ちょっと聞いた??
校門にすごいかっこいいひときてるんだって!!」

「へーだれかを迎えにきたのかな??」


「みにいこーよ!!」

「えーだってただのうわさでしょー??
めんどくさい。」

「いやいや!!
火のないところに煙はたたぬ!!
しかもそのかっこよさがはんぱないときた!!
モデル並らしいよ!!
もーすんごい人だかりなんだから!!
いくよっっ!!」


めんどくさがってる子を無理矢理ひっぱって光の如く走っていった




「………まさか,ねぇ」

大学の場所だっていつ終わるのかだって教えてない


…教えてないけど




「水野さん!!あの迎えきてますよ!!」



…なぜか知ってるよのね




その子にお礼をいって校門に向かう

顔がちょっと赤かったのは走ってきたのだろうと勝手に解釈しといてあげる






すごい
すごすぎる



なにがってこの人だかり


たしかにさっきの女の子たちがいってたけど…



人だかりの外からじゃ
校門が見えないなんて…



きゃっきゃっ無駄にうるさい中をなんとかくぐり抜けてのこり半分


「なまえ何て言うんですか!?」


「佐藤聖。
ついでに誕生日は12月25日。
プレゼント待ってるよ」

きっとウインクでもしてるんだろう

一段と大きくなったキャーという歓声で想像がついた


「クリスマスだから聖なんて素敵ですね!!」

「わたし予定空けときます!!」

こら,そこ。
まだ夏ですよ?
というかなぜそういう発想になるのかしら
空けなくていいわよ


「ほんとー!?
ありがとー!!」

また歓声が大きくなる…



「でもごめんねー
クリスマスは先約があるんだー」


「そうなんですかぁ。
でもまだ5ヶ月ありますよぉ??」




「そうだけど,さ。
クリスマスは恋人と過ごすもんでしょ??」

ニコッとした笑顔




「…聖
おまたせ…」


「蓉子!!おそいよぉ〜
授業は30前には終わってたでしょ〜」

…何で知ってるのよ


「それはこの人だかりをくぐり抜けてくるのに時間がかかって…」


「あっれー
蓉子かお赤いよー??
どっしたの??」


「っっ!!」



あなたの言葉うれしかったから

なんてこの場でいえるわけないじゃない



…馬鹿


END






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