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□★First kiss…xx
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その日、下校途中で待ち合わせた手越と増田はレッスンスタジオに向かってた。





急に少ラの出演が決まり、2人で練習するようにマネージャーから連絡入ったのは、収録日の3日前。





『練習曲のMDは、寮の管理人に預けてあるから』




スタジオと行っても、行き先はとあるマンション。





ワンフロアーを事務所が買い取り、数室を防音に改装、ボイストレーニングが出来るようにしてあった。





残る部屋は今現在、東京での舞台を控えてる∞のメンバーが宿泊している。





「なぁレッスン何時間くらいにしとく?」





腕時計は午後7時を過ぎたところ、明日から試験の増田は早くも帰りたそうだ。





一方手越はやる気満々の様子。





もともと歌うのが大好きで、事務所に入ってまだ1年越したところ。





ましてやグループじゃなく2人で歌えるって事は、ソロパートが多いって事、テンション上がるのも無理もない話。





「今日はちゃんとハモれるとこまで練習するからね。」





つまりある程度仕上げるまで帰らないからって事なんだな。





はぁ〜…





そう察した増田は言いだしたら聞かない手越に、諦めの溜め息吐くと軽やかな足取りの手越の後をノロノロと着いて行った。





――――――
―――





「ココ?」





「そう、このマンション」




辿り着いた先は、高層マンション。
増田は何度か来た事あったけど手越は初めて。
『わぁ〜たっけー』なんて上層階を仰ぎ見ている。





早く練習して早く帰りたい増田は、やれやれって顔を浮かべると『手越、こっち』と立ち止まってる手越を促し中に入って行った。





エントランスで守衛さんにレッスンに来たことを告げるとエレベーターに乗り込む。





はぁ〜





実は増田にはもう一つ憂鬱な事があった。





人見知りする大人しい性格故に、関西弁でマシンガントークする先輩たちがどうも苦手なのだ。




同じメンバーの錦戸にすらちょっとキツめにツッコまれ、思わず泣いてしまったほど。





誰にも会わずに帰れたらな。





そう思いながら数字の増していくデジタル表示をぼんやり眺めていた。






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