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□★episodeU…祐也の呟き
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「おぉ!おっしゃれー
いい雰囲気♪」
そこはお昼はカフェで夜はカクテルが楽しめるお店で、オープンスペースのテーブルからは、行き交う人が見えるけど何か寛げる感じ。
俺はお酒呑んじゃおうかなどうしようかな…慶ちゃん車だし一人呑んじゃ悪いよな、なんて悩んだ挙げ句…
「俺はジンフィズと…慶ちゃん何にする?」
「呑むんかよι」
何か呑みたい気分…だから。
「うん。一杯だけ…」
「いーけどさ…寂しいんでしょ?亮ちゃんに逢えなくて」
「解ってたことだもん…あんまり寂しくないよ」
強がる俺の頭をポンポンとしてニッコリ笑う慶ちゃん。
気持ちいい…
亮くんにポンポンしてもらったの一週間前だったっけ…
何だか慶ちゃんの手が亮くんの手みたいで心地良くて、目とか瞑っちゃってた。
この時俺は知らなかったんだ…
それから暫くしてカラオケボックスで2時間熱唱。
幾分気分も晴れた気がするし、誘ったの俺だから今日は俺が支払うね、とジーンズのポケットに…
あっそうだ、今日はここに入れてあるんだっけとバックを開けると携帯がチカチカしてる。
亮くんかな♪
そういやバイブにしたままだったと、ウキウキ気分でチェックしたら、着信もメールも亮くんの名前がズラーッと…
怖いくらい並んでる。
あっヤバっ!俺亮くんにメールするの忘れてた!
ニコニコして携帯取り出し見てるうちに笑顔が消えてった俺の手元を、心配顔の慶ちゃんが覗き込んできた。
「どしたの?」
そっと携帯見せてあげたら、スクロールしながら慶ちゃんも苦笑い。
「す、凄いなオール亮ちゃんじゃんιあれっなぁ最初の着信のこの時間…」
「あっ…。でも今日はドラマの撮りだって言ってたけど……」
メールも何通も届いてるけど内容は、
『マンションで待っとけ』
しか書いてない…。
怒ってるのか…な?
取り敢えず早く行かないとヤバいって慶ちゃんも言うし、急いで送ってもらいマンションに到着。
見上げれば…電気ついてるじゃんι
早く終わったんだ。
嬉しさ半分気まずさ半分の気持ちに…ちょっと期待をプラスして部屋へと急いだ。
ピンポーン
ガチャ…
「あの…こんばんは…」
恐々声掛けると、満面の笑顔なのに何故か無言の亮くんに腕引っ張られ、いきなりリビングに連れてかれた。
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