お題を使って短文。
まずは自分のお題をいくつか消化してみようと思います。
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このレストランに入って1時間が経とうとしている。
目の前の彼は、食べ終えた料理が乗っていた皿。つまりは空の皿を終始見ている。
私はというと食事が喉を通らず、チーズの乗ったハンバーグが寂しげに鉄板の上にあるまま。
一体どうしたことかしら?
本来ならチーズハンバーグは私の大好物で、ものの5分でなくなる運命だというのに。
ねぇ。どうして私の目を見ないわけ??
この殺意の矛先。
(気づいてるでしょ?)
何とか言ったらどう?
夕陽の射す空が、とても綺麗だった。
隣にいるあなたは何も言わないけれど、その存在が私を支えているわけで。
私もあなたに何も告げはしないけれど、ほんの少しでもあなたの心の支えであればいいと願っているの。
「手、繋いでもいい?」
繋いだ指先から伝わる気持ち。
(ただ、触れるだけでいい)
くるん。と跳ねた前髪が愛らしい。あなたは眉をしかめて目の前のピーマンに苦戦している。「そんなに嫌いなら残してもいいよ」そう告げればくしゃりと笑った。
「絶対克服してみせる。」
子供か。と心の中で呟いた。
かれこれ1時間近くかけて食べ終えたピーマン。彼は洗い物をする私の隣に来ると、「また作ってね」と言った。
もちろん、とびきりの笑顔で。
その何もかもが、私の全て。
(あなたがいないと壊れちゃう)
そっと手に触れられ、どきりと鳴った心臓。隣を歩く彼は照れくさそうに「温けぇ」と言った。普段は手を繋がない私たち。冷え症の私には苦手な季節。冬が少し好きにった。
指の先から頭のてっぺんまで。
(腐る程の愛を分かって)
本当は、ずっと繋いでて欲しいのよ。
「死ね馬鹿男。」
「無理。」
「じゃああっち行って。」
「無理。だってお前のこと好きだし。」
「ばっかじゃない。」
彼は俯いて、私の傍を離れた。
「私も」ただそう言えればいいのに。
(こんな性格大嫌い)