TWO
□発熱・過労
2ページ/9ページ
結局眠りについたのは、空が朝焼けに染まる頃だった。
こないだ目覚めた時は、クラピカが仕事に出た後で、リンは一人ベットに残されていた。
でも今日は、クラピカの腕の中で目が覚めた。
目の前にある綺麗な寝顔。
贅沢に好きなだけ眺められる。
長い睫毛…肌もスベスベだし…
ホント綺麗な顔だな〜…
リンは顔に少しかかった細い金糸をそっと直した。
無邪気な寝顔…
世界で今私だけが見ている絶景だね
リンはクラピカの額にキスをして、目一杯の幸せを噛み締めていた。
ところが……
「…う…っ」
眠るクラピカが、急に苦しそうにうなされ始めた。
いつもより少し体が熱いとは思っていたが、それすら心地よくて微睡みかけていたリン。
気付けば酷く汗が滲み出し、息が荒れ、熱も高くなっていた。
『クラピカ!!大丈夫!?ねえ、クラピカ…!!』
リンは何度も声をかけ、名前を呼んだが反応がない。
その時から、クラピカは意識の戻らぬまま高熱にうなされ始めた。
・