TWO

□発熱・過労
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隣りでリンが見つめる中、クラピカの瞳がゆっくりと開かれた。


『!…クラピカ…』


僅かに苦しげな声を漏らした後、クラピカは殺風景な天井を数秒見つめ、そしてリンの方へと視線を向けた。


「…リン…」

『クラピカ…クラピカ…よかった…』


二日ぶりに目を開けたクラピカの顔を見て、リンは涙を滲ませた。

握りしめる温かい手を、クラピカは力なくそっと握り返す。


「気がついたか!リンに大騒ぎで電話貰った時は驚いたぜ」

「貴方、丸二日以上も寝ていたのよ」


側についていたレオリオとセンリツも、クラピカに声をかける。


「…丸二日?…ボスは…競売はどうなった?」

「結局中止よ。来年からもないみたい。ボスも自宅へ帰ったわ」


クラピカはこんな時まで仕事の事を気にする。


「リン…すまなかったな、心配かけて…。
声、ちゃんと聞こえていた」


小さく首を横に振るリン。


『ホントよかった…。
あ、喉渇かない?お腹すいたでしょ?私、何か作ってくる!』


そう言って、ほとんど丸二日座っていた椅子を立ち上がる。


瞬間、リンの頭はスーッと風に当たったように涼しくなり、目の前が真っ白になった。


「おいっ!しっかりしろ…!」


ゆっくりと倒れ込むリンを、とっさにレオリオが受け止めた。





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