TWO
□発熱・過労
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結局今度はリンが倒れ、クラピカの隣りのベットに寝かされた。
熱などはなく、寝食忘れて看病し続けた末の貧血、過労だった。
リンは大人しい寝息を立てながら、ぐっすり眠っている。
「ったく、クラピカが目覚めたと思ったら今度はお前かよ」
レオリオはぶつぶつ言いながらリンの側についている。
弱った体を何とか起こし、シャワーを浴びてきたクラピカが、レオリオに代わってリンの傍らに座った。
「このコ、あなたが寝ている間ずっと傍にいて手を握っていたのよ。
私達の言葉もきかずに食事や睡眠も一切とらなかった」
センリツの話を聞きながら、じっとリンの寝顔を見つめるクラピカ。
「あなた、本当に愛されてるのね」
「…ああ」
謙遜して否定する理由すらない。
それは、完璧なほどの"愛"だった。
リンの手をとり、自分の頬にあててみる。
ふわりと温かい。
「…ありがとう」
そう呟いてみたが、熟睡しているリンからの返事はない。
「…私はどれだけ、お前に生かされ続けるのだろうな…」
クラピカはリンの寝顔にそっとキスをした。
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