その他の駄文

□貴方の側に…
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「甘寧。すこしやって欲しいことがあるのだがいいだろうか?」

今までずっと考えていた周瑜様が目の前にいた。

「はい大丈夫です。何をすればよろしいでしょうか。」

いつも通りにしていたつもりだったはずのに、彼には隠せなかった。

「甘寧、元気が無いようだがどうした?疲れているのか?」

顔色を伺うようにしてのぞき込んでくる。

そんな周瑜様のほうが顔色が悪い。

「私は大丈夫です。むしろ周瑜様の方が体調が悪そうですが…大丈夫でしょうか?」

周瑜様は周りに気を使うがご自身が1番疲れているはずだ。

この呉をまとめているのは周瑜様みたいなものなのだから。

「たしかにすこし疲れているかもしれないな。」

そう言いながらも要件を話し次の執務のために部屋を出て行こうとしていた。

「あ、周瑜様。よろしかったらお茶を召し上がりませんか?」

疲れがみえる彼をそのまま行かせたくなかった。

「そうだな。では頂くとするよ。」

彼は微笑むと椅子に座りお茶を待っていた。

「ん、すごく美味しい。ありがとう甘寧。疲れもとれたよ。」

そう、とても綺麗な笑顔で言われてすごく嬉しかった。

「少しでも周瑜様のお役に立てたのなら嬉しいです。」

本当はもっとたくさんお役に立ちたいが。

「甘寧は今の私には無くてはならない存在だよ。本当に感謝している」

周瑜様が言った言葉に固まる。そんな風におっしゃってくれるとは、思ってもいなかった。

「そんなお言葉、私には勿体ないです。」

周瑜様は椅子から立ち上がり近づいてきた。

「そんなことない。私は結構なところ君に助けられている。
今もこうして私のためにお茶を煎れてくれただろう?」

すこし俯いていた俺の顔を覗き込みながら彼がそう言った。

それでも俺は彼にそこまで言って貰える人間ではないと思っていた。

「甘寧は私の言葉が信じられないか?」

周瑜様はすこし切なそうに笑っていた。

「そんなことはございません!周瑜様がそこまで仰ってくださり嬉しいです。」
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