■オレとお前で歩く道■

□第8話『秋高し 修学旅行は大騒動?!』
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 ラッセルとは若干気まずい間柄にはなってるけど、そういう理由ならって事でオレも納得した。下手にオレの正体を知らない奴と一緒になる事の方が、何かと面倒だしな。
 オレとロゼは仲がいいから、同じグループになるのも当然って感じ。
 オレ、ラッセル、ロゼ……。そこまではいいとしよう。問題なのは残りの三人だ。
 一人は何かとオレ達と関わりがあるって言うか、変な縁ができたって言うかのエンヴィー。そのエンヴィーが何を思ったのかラッセルとは犬猿の仲であるライラを誘っちまって、最後の一人が体育祭でうちの学校の生徒会長だと知らされたばかりのリン。
 何でもリンは、誰と一緒のグループになろうかとか全く考えておらず、気づいたら一人あぶれてしまってて、それで一人空きのあるオレ達のグループに加わったわけだ。
 オレはこの果てしなくやる気のない生徒会長に、謎と疑問ばかりが湧いてくる。
 とは言え、一応それぞれ面識のあるメンバーだし、オレを除く五人中三人がオレの正体を知ってるって事もありがたい。
 ラッセルとライラは……相変わらず険悪ムード全開で、お互い顔も合わせようとしないけど、それでも時々言い争いに近い会話を交わしてはいる。
 今だって何が発端になったのかは知らないけど、昼食を食べ終わった席についたまま、よくわからない言い争いを展開してたりする。
 エンヴィーはその横で茶々を入れたりして楽しんでるけど、オレとロゼはあまり関わりたくないって感じ。
 だから、ロゼがその場から逃げる口実とばかりにオレをテラスに誘ってくれた時は、内心ホッとしながらロゼについて行ったんだ。
 ライラはオレとアルが兄弟であり恋人である事を未だに快く思ってないし、オレとラッセルが仲良すぎると、オレ達の事も変に勘繰ってるみたい。前みたいにラッセルの気持ちを推測するような発言を、オレの前でされたりなんかしたらたまんない。
 で、リンは……と言うと、隣りのクラスのランファンって子と一緒に、昼食を食べ終わった後だってのに、持参してきたらしいお菓子を頬張っていたりする。
 リンってあまり教室内では見かけないと思ってたら、そのランファンって子と常に一緒にいるっぽい。
 一体どういう関係なのかは知らないけど、少なくともリンが一番親しくしている人間には間違いないだろう。
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