■オレとお前で歩く道■
□第7話『百花繚乱!!体育祭』
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長いと思ってた夏休みはあっという間に明けてしまい、二学期が始まった。
まだ夏休み気分が抜けきらないオレは、再び女装して通う学校生活にちょっと憂鬱な気持ちになってたりしてたけど、始業式から一週間も経てば、漸く休み気分もリセットされた。
「ってー……」
今は休み明け恒例の実力テストでげっそりしちまってるけど……。
「何?エディーってば休み中勉強してなかったの?」
実力テスト最後の科目を終えた直後、机にばったりと突っ伏したオレを見て、隣りの席のロゼが心配そうな呆れたような顔で尋ねてくる。
「そんな事ないけどぉ……」
先生の手に渡っていく答案用紙を名残惜しそうに見詰めたまま、オレはぼそりと呟いた。
この夏休みは今までの人生の中で“一番”ってくらい勉強した……と思う。それまでのオレの夏休みと言ったらとにかく遊ぶ事が第一で、夏休みの宿題なんか適当に終わらせるのが精一杯だったもん。
今年は一応受験生だからって事で宿題はなかったけど、そのぶん苦手な教科を中心に、ラッセルやアルを誘って勉強会なんかも頻繁に開いたりした。
にも関わらず、今終わったばっかの実力テストの出来はいまいち手応えがなく、オレは切ない気持ちでいっぱいだったりする。
(全くできなかったってわけじゃないけど……)
オレ的にはもっと楽にすらすら解けるものだとばかり思ってたのにさ。いくつかの問題に頭を悩まされ、最後まで辿り着けなかった科目もあった。
世の中ってそんなに甘くないんだって思い知らされた気分……。
「なぁーんか……不完全燃焼」
それなりに勉強したからか、テストが終わって後悔するのって初めてかも。
「まあまあ。ただの実力テストだから。本番で実力発揮できたらいいのよ」
「……うん……」
しゅんと肩を落とすオレに向かって、ロゼは優しい言葉を掛けてきてくれた。
終わった事は仕方ないし、それなりに点数も採れてるって思うから、オレもその言葉に素直に頷くと、先生に持っていかれた答案用紙の内容はあまり気にしない事にした。
後でわからなかった問題はラッセルにでも聞くか……。
「エディー」
「ん?」
机に突っ伏していた体をむくっと起こしたのと同時に、教室の入り口からラッセルがオレの事を呼ぶ。