■オレとお前で歩く道■

□第2話『子供の事情。大人の事情』
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 最近オレは困った事になっている。

「エディー。今日の放課後は空いてるか?」
「空いてないっ!!」

 この学校に転校して来てから、どういう趣味してるかわからない奴らから告白された回数は数知れず。
 だけどアルと付き合ってる事が公になってからと言うもの、そんな面倒な事もなくりホッとしてたってのに。
 2週間程前。オレは久しく同じ男から告白されるという事態に遭遇してしまった。
 相手は同じクラスのクラス委員であるラッセル・トリンガムという男。聞けばこいつにはオレと同じく弟がいて、その弟はアルと同じクラスで親友と言う。
 弟がアルの親友となればオレとアルが付き合ってる事なんてとっくに知ってるくせにどういうつもりか。
 当然オレはきっぱり断った。知ってるとわかっていてもアルと付き合ってる事もちゃんと伝えた。
 それなのにこいつはしつこい。目が合えば何かしら話し掛けてくるし、放課後になればアルの目を盗んでこうしてオレを誘い出そうとする。
 一体どういう神経してるんだかさっぱり謎だ。
 ラッセルを突き放すのにも大変なんだけど加えて

「エディー姉さん」
「セリム?」
「ごめんエディー。セリムがどうしてもエディーに会いたいって聞かなくて」
「アル……」

 先週招待されたアルの豪邸で出会ったアルの弟にあたるセリムに、何故かやたら気に入られてしまったらしい。あれ以来アルにくっついてしょっちゅうオレに会いに来る。
 血は繋がってないにしろ、アルに弟の存在がいた事には驚いたけど。普通に考えればブラッドレイ宅に実の息子が存在するのは不思議でも何でもない事なんだよな。
 それにしても随分歳の離れた弟になるもんだなぁ……。アルが今16歳なのにセリムはこの前10歳になったばっかで、この学園の初等部に通ってる。
 ブラッドレイ夫妻の年齢を考えればアルくらいの息子で丁度いいって気もするけど……。

「あれ?またエディーにちょっかい出してるんですか?ラッセルさん?いい加減諦めて下さいよ」
「黙れっ!!俺はお前がエディーの彼氏だなんて認めてないぞっ!!」
「認める認めないも……事実だからしょうがないじゃないですか」

 親友の兄貴ともなればアルもそうキツい事も言えないのか、ラッセルの対応には少々困ってしまうみたいだ。
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