■オレとお前で歩く道■

□第4話『宿敵現る?!アルの記憶を取り戻せっ!!』
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 短い春休みなんてあっという間に終わっちまって、新学期を迎えると同時に最終学年を迎えたオレ。
 クラス替えはあったものの、仲の良かったラッセルやロゼとはまた同じクラスになり、つい最近お近づきになったアルの従兄弟(仮)であるエンヴィーとまで同じクラスになってしまった。
 オレはラッセルからの強引な勧めもあり、去年に引き続きクラス委員になったラッセルの補佐役である副クラス委員を任される事にまでなってしまった。
 学校では性別女として過ごしている事と、アルと恋人同士の関係ってのが公になってるせいで、あまり人前でラッセルと親しくするのも気が引けると言うか……。
 そんなしょうもない理由で人前では不必要にラッセルとは親しくしていなかったから、ラッセルに

『同じクラス委員になれば多少親しくしてても不思議はないだろ?』

 と、上手く言いくるめられたって感じか?
 実際クラス委員になってみれば、毎週月曜日は委員会なんてもんがあるし、何か行事があったりすると、注意事項の伝達をしたり、話し合いでは進行役を勤めなきゃいけなかったりで果てしなく面倒だ。
 ラッセル同様、学年が変わっても引き続きクラス委員になってるアルと、週に一回の委員会で会えるのは嬉しいけどさ。
 オレが面倒臭いながらにラッセルの勧めに乗った理由はそこにもあった訳だ。
 ラッセル曰わく

『今年はアルは絶対クラス委員になるから』

 ってさ。
 別にクラス委員にならなくたって、アルとは昼休みに毎日一緒に弁当食ってるし、会おうと思えばいつだって会えるからいいとも思ったんだけど。
 アルと一緒に委員会ってのはちょっと魅力があった。
 そして更に、最終学年になったオレの担任が、去年いきなりこの学校の教師になったばかりのロイだったりする。
 オレと同じクラスになったロゼは、当然ロイが担任である事に大はしゃぎだ。
 かくいうオレも、ロイがどんな担任っぷりを発揮するのかなって思うとちょっと楽しみだったりする。
 自分の受け持つクラスにオレがいるのが照れ臭いのか、ロイはあんまオレの顔を見ようとはしてくれねーんだけどさ。
 何はともあれ、オレの新学期はそれなりにいい感じでの幕開けとなった訳だ。
 
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