■オレとお前で歩く道■
□第9話『秋の祭典☆学園祭』
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危うく親友解消かという危機を何とか回避。何だかよくわからない内に、オレが思っていたよりすんなりと、元の鞘に戻ってしまっている今日この頃。
とは言え、ラッセルがオレの事を好きだって気持ちが無くなったわけではないようで、以前はそうでもなかったはずが、オレが誰かと親しくしているとあからさまに拗ねた顔を見せるようになったラッセルなのだ。
そういう顔をされると、オレとしてはちょっと困ったりもするんだけど、オレはラッセルを友達以上に見れないし、見ないって決めた。そこは適当にスルーする事にする。
そもそもラッセルもオレにアルという弟兼恋人という、最愛にして最強の恋人がいる事を認めている。それを認めている以上、今の所オレとどうこうなりたい、どうこうしたいって気はないらしい。
ただ、何時からかは知らないけど、今までひたむきに隠し続けてきたオレへの想いを口にしてしまった事で、その感情がすんなり表に出て来るようになっただけだ。
普通なら息苦しくて気まずく思えるこの関係。それでも、普通に友達としてやっていけるオレの神経って、デリカシーに欠けるものがあるんだろうか。
ま、そんな事は正直どっち向いてたっていい。オレはラッセルと過ごす時間が楽しいし、ラッセルと友達を続けられるならそれで良かった。ラッセルの気持ちを一切無視して、ラッセルと友達としての付き合いを続ける事を決めたのもこのオレ。
だから、今だってこうして放課後、オレ達の他には誰もいない教室で、二人仲良く居残りなんてしてるわけだし。
尤も、そこにはオレ達の学校での役割、クラス委員としての仕事が絡んでるせいでもあるけど。オレは“副”が付くんだけどな。
学校行事が近づくと、決まって居残り率が増えてしまうオレとラッセル。修学旅行前はそうでもなかったけど、その前の体育祭前なんかはほぼ毎日と言っていいほど居残り居残り。
オレ達はクラス委員であって、体育委員というわけでもないのに何で……。
あの時はそう思ったもんだ。
今回にしたってそうだ。どうしてわざわざ居残りしなきゃいけないのがオレとラッセルなんだ。学園祭と言ったら、学園祭実行委員ってのが東奔西走するべきだろ。何でオレ達クラス委員にその役が回ってくるんだよ。
とまぁ……愚痴を言っても仕方ない。