崩落編
□監視者の街 ユリアシティ -1-
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ある夢をみた、それはこの世界より前に自分がティア達と共に旅していた頃の………………。 なんてことない、ファブレ邸を飛び出してから……アクゼリュスを崩落させ、仲間に見捨てられ………最終的にはレプリカという事実を聞かされ苦しみ悶える夢。 ・・・・夢というよりも過去の記憶が独り歩きしているようだ。
あの時はアクゼリュスの災がまさか自分自身になるとは思ってもみなかった………ふいに頬が濡れている事に気がついた。
ああ、夢の中でも自分は泣いているのだ、………何に?……それはきっと自分の不甲斐なさにだ。
前のウ゛ァンと違う事に俺は期待を寄せた、今回は考え直してくれると………預言を壊すのにもっと別な、皆が苦しまない最善の方法を見つけてくれると…………自分に憧れを抱かせた人ならと、そう言い聞かせウ゛ァンの下に着いた。
なのに繰り返してしまった惨劇………。
ルークは意識を取り戻したモノの、夢にみた事の心情を整理したくてずっと眼を閉じていた。
しかし、真っ暗な視界から連想するのは絶望などというフレーズしかなく……ルークは諦めて目覚める事にする。
「…………う、」
「気がついたか?」
すぐ傍にいたのは、自分の被験者。 彼の捕える瞳には仮面のない自分………そこで冷汗をかき、バッと顔に手を当てる。
アッシュはルークの行動に苦笑して、仮面の残骸を手渡した。
「仮面はお前が倒れてスグに割れた……あの衝撃じゃな、あ、あと治療はティアとナタリアがしてくれたから後で礼を言っとけよ…」
「……うんわかったっ、ありがとう………そかぁ、この仮面……道化師になった時から着けてた物だから気に入ってたのにな………ま、別にスグ直せるから問題はないけどね、」
「はっ?」
アッシュの反応などそっちのけで、ルークは割れた仮面を優しく包み込みそして…………
「! な、直した?!、…………お前のって何回見ても不思議だな、………もしかして、時でも操れたりすんのかよ?」