キリリク
□些細な願い
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だが、互いにまた深くため息をついた……口論に虚しくなったようだ。
ルークは空を仰いで、またその場に座りこんだ。
「あ〜、こんな事ならミュウも道連れにすれば良かった…………そしたらのろしでも上げ−−「却下。」
シン……とまた静まり返る。
「どうしてかな?」
ルークは輝くような笑顔ながらにも、バックにどす黒いオーラを背負っている。
アッシュは負けじと睨んで、反論を述べた。
「ライガクイーンの件を忘れたか? いたとしても、あの主人に似たアホな聖獣ならまたボヤ騒ぎだろうな……」
「あっ、そかぁ………アイツならやりかねねぇな……、アホな主人のオリジナル様は躾の苦労何て知らないから、いい気なもんだよねぇ」
嫌味をきちんと返したルークは、やれやれと手を広げまたため息をつく。
アッシュは眉のシワをまた深くしながらも、話の続きを口にした。
「……火の事はともかく、飛べたのなら戻れたかもな」
その言葉にルークは両手をポンッと合わせたが、……またスグにうなだれた、
「そかぁその手もありだよねぇ………その場合デコなんぞ見捨てるがな、」
「ざけんな、俺が出した案だろうが……」
「アホな聖獣何でしょ、主人に似た…だっけ? ムリしなくて良いですよぉ〜、ミュウにも見知らぬデコには近づかないよう注意しとくからv……」」
ルークの売るケンカに、ついにアッシュは買ってやる!と拳を繰り出そうとした。
−−−が、
ぐうぅぅ………っ、
突然気の抜けた音が辺りに響き渡る………アッシュは自分以外のもう1人に視線を向けた。
音の発生源である人物は顔を染め膝に埋めながらボヤく………。
「………朝ごはん食べなかったからで……食い意地張ってる訳じゃないよ………、」
「………食べなかったじゃなく、食べれなかったんだろう?」
そう言い直してやるとルークはバッと顔を上げ睨んできた……何んで分かったんだという意味を込めて
「どうせテメェの事だ………夜遅かったせいで寝坊、それで朝食を食い損ねたんだろ?」
「あ、アハハハハ……………鋭過ぎるとハゲるよ?」
「誰がだっ………ほら、」
こめかみに青筋を立てながらも、アッシュは自分の荷物から何かを取り出しルークに向かって投げた。
「おっと、……て、えっ?………お菓子?」