キリリク
□親友の苦悩
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すごすごと場所を誰にも聞かれぬ宿屋に移し、シンクは事の始まりを口にした。
「ルークがいなくなって2日………前からたまにいなくなる事があったけど、それでもその日の内にちゃんと戻ってきてたんだ。 だけど今回は連絡ひとつもないから……」
「だからって何で俺達トコに来んだよ、」
「別に来たくて来たんじゃないよ、………ルークが出掛ける時に『アッシュ達トコに行ってくるv』って言ったんだ」
その言葉に少しアッシュは眉間のシワを緩める。 そんな彼を見てガイやアニスは正直な奴と、苦笑していた。
「しかしルークはこちらには来ませんでした………つまり、」
「……ルークの身に何かあったのでわ−−−っ!?」
『−−−−−!!』
ナタリアの発言にアッシュとシンクはいてもたってもいられず、勢いよく部屋を出ていった。
「待ちなさい!………まったく、あの二人はああいう所は似てますねぇ……」
「う〜んまぁ、それだけ心配しているんだろ」
「ガイは保護者ながらに今回余裕だねぇ〜、」
「たまには子供の好きにさせるのも、また教育だと思っているからね……」
「モノは言いようだねぇ、単に手に負えないから諦めただけでしょv」
「ハハハ………そう、」
アッシュを除いたメンバーはやれやれといった調子で二人を追いかけた。
◆
「ホントにここにルークがいるんですかぁ?」
アニスのぼやきはもっともだった。
只今アッシュ達メンバーは+シンクと、一見風変わりなパーティーを組んでテオルの森にいた。
何故この場所にいるのかは小1時間前に遡る。
アッシュとシンクは手掛かりがないまま、街中をただひたすら競り合いながら歩いていると、露店を開くおばさんが2人を呼びとめた。
振り返るアッシュをみると、少し驚いた様に人違いだと謝ってきた。
もちろんアッシュ程見間違われる人などいない、 赤毛の後ろ姿で間違われたとしたら尚更。
アッシュではないとしたらもう考えられる人物は一人だ。
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