悪魔泣番編

□嫌いだ
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深夜。


月明かりだけが室内を照らしている。


聞こえるのは


寝息ではなく



甘ったるい吐息と


艶やかな嬌声と


粘着質な水音。



「んっ…はぁっ…も…っやめ…ああぁぁぁっ!」


ずちゅずちゅ


「こんなに溢れさせておいて良く言うねぇ」


「そっ…それはっ…お前がっ…あんっ」


「ひゃあ可愛い声〜

すげぇ興奮する」


「………バカやろっ」

ダンテは脳髄が痺れる程いやらしいバージルの姿態を見せつけられて余裕が無くなってきた。


「バージルっバージルっ」


「…ダンテぇっ!」


愛しい名前を呼び合いながら二人同時に果てた。



…………嫌いだ


嫌いだ。


こんなにも


こんなにも俺を地上に縛り付ける


こんなにもお前を愛しいと想わせる


お前の存在が嫌いだ。


もう


もう独りではいられない。


お前の存在が


俺をこんなにも狂わせる


お前が嫌いだ。





   ―END―

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