悪魔泣番編

□邪気祓い
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バージルがさっきからキッチンでごそごそしている。


ダンテは気になって仕方が無い。食事の準備をしているときはいつも邪魔をしないように言われている。だが今は食事の準備をするような時間帯ではない。だから声を掛けても大丈夫だろうと判断した。



「バージル。なにやってんだ」


「・・・ジャパンでは節分といって邪気を祓う祭りがある。その準備だ。」


「ジャキって何だ?」



「そんなことも知らんのか。愚かだなダンテ。実に愚かだ。」



「ムカつく!いいから教えろよ!」



「貴様、何時も狩っているだろうが。悪魔も邪気と言える。要は悪い気の塊だな。」



「ふ〜ん・・・」



「分かったらあっちへ行け」


「へいへい」


キッチンを追い出され、手持ち無沙汰になってしまった。リビングで退屈しのぎにビリヤードをしていると一斗枡(イットマス=15キロ入る)に豆を山盛り入れたバージルが近寄ってきた。


「何ソレ」


「邪気祓いに使う。」


「どうやんの」


バージルは山盛りの豆をむんずと掴むと、息をのむ位冷たく、それでいて妖しい艶を含む顔で笑った。




そして











「鬼は〜外ぉ!!!!」



ビシビシビシビシッ



「いだいだいだいだいだいぃぃぃ!!!

てんめえ〜何しやがる!!!」



バージルに見とれて惚けていたダンテは至近距離から渾身の力と魔力を込められた豆を顔面にぶつけられて涙目になった。さすがのダンテでもコレは痛い。


「遣り方を教えろと言うから教えたまでだ。こうやって鬼に豆をぶつけて邪気を祓う。そら、いくぞ」


「ちょーーーーっと待てお兄ちゃん。メチャメチャ痛いんですけどっっっ!!!」



「当たり前だ。『邪気を祓う』のだぞ?優しくしては祓えぬだろうが。」



「俺は邪気じゃねぇぇぇぇぇ!!!」







事務所にはダンテの悲痛な叫びが響き渡り続けたという・・・




  

   −END−

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