11/27の日記

21:13
うそっきー。
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最近の日課は、人気通りの少ない道にある自動販売機でホットのお茶を買うことです。
朝っぱらから舌に火傷を負うこともありますが、とにかく日課となりました。
今日も冷えた手先で小銭をねじ込み、いつもと変わらぬボタンを押しました。
つかえて真ん中まで滑らなかった缶を眺めながら、淡々とした日常から目を反らすように意識を遠くに馳せて――

マフラーを払いながらダッシュする人。
眼鏡が曇っていて。
きっと目が合った。
その手が伸びて私を押しのける。
大きい手、温かそう。
よろけて尻餅をついて、見上げたら人はもう遠い。
来た道を戻っている人は髪が少なくて。

ああ、私、なんで攻撃されたんだろうと思いながら自動販売機の取り出し口に目をやって。
缶が、ない。

「パクられた!」

『人』VS私
勝者、『人』
賞品、缶

そこでゴングがなりました。


――そういうことがあったら素敵ですね。
と考えながら、私は現実を見てホットの缶を取り出すのでした。

ちゃんちゃん。

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