◇御題小説

□ゼリービーンズ
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昼休みが終わりを告げ、グンマがガラスボックスの蓋を閉めデスクの引き出しにしまう。
アイツの表情は寂しげで、それでも薄く微笑んでいた。

コイツはころころと表情を変える。
名のつく感情全てに顔を変化させ、満足か不快かをはっきりと相手へ示す。
だが何故その全ての表情が、笑顔に分類されるのだろうか。

「なぁグンマ。何でお前はいつも笑っているんだ?」

疑問を率直にぶつけると、アイツはやはり笑って答える。

「楽しいからだよ」

俺には解せない。

「毎日がそうというわけではないだろう」
「でも、キンちゃんといると楽しいんだ」
「…俺がいなくなったらどうする?」
「…」

グンマの真顔を見て、口が滑ったと思うが既に遅く。
アイツは首を傾げると、ぎこちない笑みを浮かべた。

「笑うよ」

ただ一言。
俺たちの会話は強制的に終了させられた。
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