◇小説

□二人の世界
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血は鮮やかに紅くて、鉄の味がするらしい。
でも本当は健康に左右される色合いだし、ましてや、おいしくなんて、ない。

ぽたぽたと重力に捉われ落ちる。それはまるきり僕の心。

体を傷つけるから、僕は生命に寄り添っていることを改めて認識し、生きていたいと暗示をかける。
その意志だけは流されているからじゃないって、自分に言い聞かせながら。

僕はそうして生きていきたい。
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