◇小説

□蛇行
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「グンマ様。何故蛇をご所望なさるのです?」
「飼いたいから」
「爬虫類は、哺乳類のような愛玩動物ではありませんよ」
「知ってるよ」
「蛇は、可愛いとは思いませんが…」
「それでいいの。愛なんてあげたくないし、もらいたくないの」
「愛って、交換するものじゃありませんよ?」
「だって、愛さなきゃ返ってこないでしょ」
「私、あなたを愛してますが、見返りは求めていません」
「じゃあシンちゃんと、色々しても怒らない?」
「色々というのは許しかねますね」
「それ、やっちゃ駄目って僕に要求してるでしょ」
「…」
キィィィ。
「いいよ、入っても。その代わりインコは持っていってね。高松が蛇を買ってくれないから無駄になっちゃったから」
「餌ですか」
「うん」
「何故、蛇でなくてはいけないんです?」
「…僕は、悪い子かなぁ」
「?」
「僕は、高松に抱かれたかったんだ。君がそうしてくれないから、よく似た代わりが欲しかったんだ」
「…私は蛇ですか」
「そうだよ」
「なら、あなたはこのインコですかねぇ」
「…餌?」
「それもありますが」
「何?」
「あなたみたいな悪い子は、一生涯閉じこめちゃいますよっ♪」


終劇
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