◇小説
□僕は何も変わっていない
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「…おや?何しに来たんですか、ジャン」
「見りゃわかるでしょ。休ー憩」
「だったら余所でやりなさい。それともあんた、私とキンタロー様の甘〜い一時を邪魔しに来たんですか。このすっとこどっこい!」
「は!え?すっとこ?
まぁ、とにかく、俺はグンマに誘われたんだぞ。邪魔だなんて言われたくないね!」
「そういえば遅いな。高松、中で会わなかったのか?」
「私は資料を取りに戻っただけですからねぇ。トイレとは逆方向ですよ。…まさか迷子!?
ってジャン!あんた何勝手にグンマ様のカップに口をっ!間接キスしてんですか!」
「冷めちまうなら飲んだっていいだろ。…なんか味おかしいぞ?変なもん入れたのか?」
「失礼な!愛しのグンマ様のために、砂糖とミルクと紅茶を5対2対1の割合で混ぜただけですよ!」
「げっ…」
「ジャン、折角だから予算の話がしたい。シンタローとお前では合意する前に収拾がつかなくなるだろう」
「あー…俺そろそろ戻って兎に餌やらないと。じゃあな!」
「ジャン!まさかその餌代も研究費でおとしているのかっ!?すまん、高松。俺はアイツを追う」
「ええ、わかりました。後片付けはしておきますから、芯から根こそぎ搾り取ってやってください」
「ああ」
それにしても、鈍い方たちですね。
私の服が元から赤でしたから。
ジャンも、馬鹿ですね。
悪い虫が付かないように、除去剤を入れたまでのこと。
ねぇ、グンマ様。