◇小説

□七色花火1
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歩行者天国となった車道に飛び出し、見物客の手元を観察しながら発生原を探す。屋台はすぐに見つかり、財布を片手にこれからのグンマの笑顔を想像してたらりと鼻血が垂れる。

(あぁっ、グンマ様!私がチョコレートになったら食べてくれるのでしょうか?いえ、それより私がグンマ様を…)

「食べてしまいたい!」
「おまちどうっ、てアンタ血ぃ出てるよ!?」
「ふふふぅ、食べちゃいますよ、もうっ!」
「…」

店主は無言でバナナチョコを二本押しつけると、何事もなかったことにした。


「さて、グンマ様はご無事でしょうか…」

カラコロと下駄を鳴らし小走りで車道を走り抜ける。ベージュのマンションの角を曲がれば公園が見えてくるのだが、

「オッサン危ない!!」
「は?だぁれがオッ…ギャァ!?」

ガッシャーン!

両足への鈍痛。
痛みを堪えて踏みとどまると、子供と一輪車がバランスを失い足元に横転した。
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