◇小説

□七色花火1
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「大丈夫ですか!?」

驚いて手を伸ばしたが両手が塞がっていることに気付き。しかしよく見れば丈夫そうな骨格の上に露出した肌には傷一つない。

(私にぶつかったからですかねぇ)

そりゃ幸運ですね、と小さく呟き様子を見ていると、少年がむくりと起き上がる。顔や服に汚れが付着している程度で流血はなく、高松は胸を撫で下ろす。

「遊ぶなら祭りの日は避けなさい。そうじゃないと私に文句言われても言い訳できませんよ」

子供を気遣いなるべく柔らかい口調で注意すると、少年はゆっくりとその面を上げた。
どこか冷めた瞳。
高松が経験したころころと変わる感情的なものではなく。自分の非を理解できない愚かな顔色。

(憎たらしい…)

180度態度を変えて視線を動かさない少年を睨み付けた。
それでも少年は引かない。
大袈裟にため息をつくと、高松は何事もなかったかのようにまた歩きだした。
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