◇小説

□甘いもの
1ページ/2ページ

「トリックオアトリート!」

灰色の廊下なんてつまらない。
赤白黄に青緑。黒も混ぜた紙吹雪でカラフルに装飾!
ほうら、楽しーいパレードコース!

「みんな、トリックオアトリート!お菓子をくれないと悪戯しちゃうぞ〜!」

鼓笛隊よろしく高らかに宣告すれば、返ってくる疑問の眼差し。
そんな顔したって駄目。無駄。隊員はみんな僕に従わざるを得ないの。

「トリックオアトリート!」

ねぇ、聞こえるでしょう?この声が。

「お菓子をくれないと悪戯しちゃうぞ!」
「…お菓子をくれないと解剖しますよ〜」

ね、聞こえた?

慌てて僕にお菓子を貢ぐ団員たち。
その視線は、僕の背後の高松にロックオン。

僕は全く気付かないフリして、ありがとうって手を振るの。

「トリックオアトリート!」

「やぁグンマ!チョコならあるよ。これでいい?」
「ありがとうジャンさん」
「お前は一体いくつなんだ。飴でいいならあげるけどね」
「ありがとうサービス叔父様」

小さいお菓子でいいよ。寧ろ大きいお菓子は邪魔なだけ。
それは、お誕生日に頂戴?

「お菓子をくれないと悪戯しちゃうぞ!」

僕の悪戯でも高松の悪戯でも、好きなほうを選ばせてあげる。
どちらも救われないけどね。

「グンちゃん。私からはファンクラブ限定、マジック型ペロペロキャンディーをあげよう!」
「NO thank you.そんなもの受け取ったら、シンちゃんに近寄れないよ」

ばいばいって手を振れば、がっくりと肩を落とすお父様。
秘書たちはいないようだ。
残念。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ


©フォレストページ