黄昏れ時に
□黄昏れ時に
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学校の後に始まる祓魔塾。奈美はいつものように重要な事をノートに書き込みつつ、お隣さんを眺めた。いつもの如く、気持ち良さそうに眠る燐に、昔の自分とダブらせつつ、そっと溜息をついた。
あーあー…
またやってるよったく…
「燐、燐ってば…」
「スキヤキ!?」
覚醒したかと思えば何故にスキヤキなんだろう…どんな夢だよ。本人もやっと注目を浴びている事に気づいたらしく、しょんぼりと先生に謝りつつ席に座りなおした。そんなとき、見た目は不良な京都男、勝呂竜士が燐にキレていた。
「なんやアイツ…何しに来てん。帰ねや!」
その勝呂の様子に、奈美はそっと溜息をついた。またひと波乱ありそうだ。だがもうひとつ、他に問題も残っている。竜士君…燐に怒ってるのは分かる。分かるんだけど、何故にわたしも睨んでくるし!!
そう勝呂は燐のみではなく、奈美にも同様に睨んでいた。
―――――
―
――
そして時間は流れ、奥村先生の悪魔薬学の授業の時間にことは起こった。ちなみに今日は前回の小テストの返却だった。
今回のテストに自身のある奈美は雪男に呼ばれて受け取る。返って来たテストの結果によしと小さくガッツポーズした。
「奥村君…胃が痛いよ」
お隣さんという事もあり、燐のテストの結果がみえてしまった。その点に思わず奈美も引き攣る。
「二点て…早々とれるもんじゃないよ燐…」
「ほんまや。二点とか狙ってもよう取れんわ。女とちゃらちゃらしとるからや」
「な…ななななんなんだあのトサカ…!」
「燐、勝呂君って結構頭いいよ?雪男には負けるけど」
そう奈美が燐にいえば、いきおいよく此方に振り替えて驚いた表情をしていた。
「お前…」
「うん?」
燐がなにか言いかけた、その時だった。
「良く頑張りましたね。勝呂君」
雪男の声に、燐は勝呂をみる。本人は勝ち誇ったかのようにぺらりとみせた。対して燐は酷く動揺をみせた。
「ばばばばかな…ありえねーよ。そんな点数とれるはずが…」
「なんやと!おれはな祓魔師の資格得るために本気で塾に勉強しに来たんや!!皆真面目に祓魔師目指してはる人だけや。お前みたいな意識の低いやつ、目ざわりやからはよ出ていけ!!」
「俺だってこれでもいちよう目指してんだよ!」
「お前が授業まともに受け取るとこみたっことないし!」
「授業中ですよ坊…」
「お俺は実践派なんだ!」
「うんうん正論だ。どんどんいってやってくださいね」
流石に暴れ出し、今にも殴り合いそうな二人にお互いの仲間が羽交い絞めする。だが雪男は燐を羽交い絞めしつつ、勝呂を支持した。
「だあーー!お前どっちの味方だ!!」
「さてどっちでしょうか…おっと今日の授業は此処まで」
鐘の音が鳴る。それに伴い授業は終わり、両者納得いかないまま、一先ず次の授業の為に移動した。