企画部屋

□一万打感謝 2位,兄×弟@
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「隼人、そんなところで寝ると風邪引くよ」
「んぅー…」

一緒にこたつに入ってテレビを見ていたんだけれど。
段々眠気に坑えなくなってきたのか、隼人はこたつに首まで潜ってとろんとした目をしている。
その蕩けた目が此方を見て、柄にもなく心臓が跳ねる。
あまり直視してはいけないと目を反らし、そっと髪を撫でた。

「ん…、も、すこし…」

薄く開いた唇から途切れ途切れに呟かれる寝言。(何がもう少しなんだ)
誘われているのかと錯覚するほどの無防備な顔。
いつもは大人ぶってはいるが、やはりまだまだ子供。
幼さが残るあどけない寝顔は、僕の理性を揺らすには十分過ぎて。

「隼人、」

呼び掛けても、聞こえるのは可愛らしい寝息ばかり。
途方に暮れて、仕方なく彼の体をこたつから引きずり出して抱えあげる。
少々手荒なやり方だけど、風邪を引かれるよりはマシだ。
体力にそんなに自信があるわけではないけれど、それでも隼人くらいは持ち上げることが出来る。

「(軽い、な……)」

自分より少し小さいだけなのに、その体は驚くほど軽い。
華奢というか、線が細いというか。
これでも栄養には気を遣っているつもりなんだけど…。
そんなことを考えていると隼人の部屋に辿りつき、毛布を捲り彼の体を横たえさせる。
きちんと首まで毛布を掛けてやると、布団が冷たいのか身動きして体を縮こませる。
そっと顔にかかった髪を払い、つい誘惑に負けて頬を撫でる。
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