キリ番リクエスト小説

□祈りを捧げ
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そんな顔しないでよ

旦那は悪くないんだから

俺様が身代わりになるから

じゃあね、旦那


そういって、あの人に別れを告げた
だって、もう二度と会えないような気がしたから


あぁ、またあの時間がくる

最悪で最低な密命が……


****


「卿もなかなか強情だな」

「生憎、あんたなんかに媚びる気はないんでね」

「ふ……、卿はおもしろいことを言う」

「俺様は、真田の旦那の代わりなワケ。残念ながら、旦那には会えないよ」

少しでもあいつの興味を削ぎたくて、自分を抑え込んで低い声色で囁いた。
本当は、怖かった。
何をされるのか、どんな残虐性を持っているかわからないから。
けれど、旦那のためなら、どんな屈辱だって構わなかった。


****


「佐助……?」

「ん……、どしたの?」

「顔色が悪いぞ。どこか痛むのか?」

「そんな風に見えます?だったら、旦那のせいですよ〜」

「んな……ッ!?」

「あはは、嘘だって……!本気にしないでよ」

嘘。
旦那のことを考えるだけで、胸が熱くなる。
だって、俺様……旦那が、好きなんだよ。
旦那のそばにいられるだけで、どんな辛いことも耐えられるよ。
でも、俺様は忍。
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