キリ番リクエスト小説
□☆外は危険☆
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「あいたたた……」
俺様の小さな声が、シンとした林に溶ける。
俺様の頬には痣が出来ていたし、唇の端から僅かに血が出ていた。
所謂、喧嘩に負けた。
それは男として悔しいのだが、手加減されていたことが、余計に俺様を落ち込ませる。
喧嘩の中身は単純。
テストのカンニング疑惑で、ちょっともめたことだった
勿論、俺様はカンニングなどするはずがない。
「はぁ……、最悪…っ」
ため息とともに、虚しさが襲う。
「…………ん?」
俺様がふと顔を上げてみれば、旦那と同学年である毛利の旦那が「日輪よ……」といって、絶賛光合成中。
「(………何やってんの?)」
俺様の思考は?マークで埋め尽くされる。
木の影に隠れるようにして、座り込んでいる俺様には気づく様子もない。
「(………そう言えば、学年トップクラスの成績だったっけ)」
旦那はそれに追いつけるように、俺様に勉強を教えてくれと頼むこともあった。
「ねぇ……」
「………」
思わず話しかけていた。
振り返ったその表情は、何故かとても綺麗で。
「アンタ……確か、毛利元就って言ったよね?」
「我を知らぬ者は、そういない筈だが……」
「あぁ、そりゃ失礼」
苦笑を浮かべると、不意に毛利の旦那が近付いてきた。