CLAP‐NOVEL

□6.CLAP
1ページ/1ページ


6.CLAP



【その手で】







俺の好きなもの


女の子


音楽


ライブ



愛するもの




ギター。










俺がコイツと出会ったのは
中学の時だった。



勉強も
運動嫌いで
部活もせず

取り柄も何もない。



俺はそんな自分に飽々していた。



ただ人より
音楽を聴いていた。


きっかけは
行きつけのCDショップに
綺麗なバイトのお姉さんが居たこと。

お姉さんに会うために
話したいために


興味もなかった音楽に
興味あるふりなんかして


俺に興味持ってもらうために演じてた。


でも逆にハマったのは

お姉さんじゃなくて


俺。








直「このエレキギター…音まじカッコいい…」

店員「でしょ!?直樹君これの良さが分かるなんて大人じゃない〜」

直「…………」



激しい
なにかこみあげてくる
この感情は


エレキから反応した。




店員「エレキに興味あるの?ならこれもオススメだよ」

直「ありがとう…でもお金…」

店員「あっそか…なら今あたしがいれたMDあげる!」



直「ありがとう!」








次お姉さんに会いにショップへ行ったら、もう彼女は居なかった。

バイトだったから聞くにも聞けずで………







でも不思議と俺は
落ち込んだりしなかった




今この手で

生涯愛せるものに
出会えたのだから







─学校─




直「なぁ海人」


海「なーにぃ〜」


直「…バンド組まね?」







お姉さんがくれた最後のMDは今CDを持ってる。


その代わりそのMDに

俺のあの頃の下手くそな

雑な でもウキウキした



エレキが響いている。






●END●

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ