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□Permission
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口づけた彼の手がぴくりと引きつった。

ルシウスの瞳から涙が溢れていた。
例え二人きりの時でも、気丈な彼は涙を見せなかったのに。

気がついたらルシウスを抱き締めていた。
骨が軋みそうな力で抱き締めたのは初めてだった。
僕はいつも彼を硝子細工のように扱っていた。
大切に大切に、何よりも大事にしていた。

「ルシウス…好きだよ」
涙が溢れ出して止まらなかった。
「…あの女より?」
「そんな天秤にはかけられない。違うんだ」
「何が?」
「愛し方が」
「……アーサー」
「何?」

ルシウスの声が細くなる。

「私を見かけたら必ず声をかけろ」
「うん…」
「呪いだっていい、お前の声が聞きたい」
「…」

呪い

君は僕と闘う道を選んだのか。

ぐすっとみっともない返事をひとつすると、僕らは二人して黙り込んだ。
お互いの体温だけを感じて。


僕らはここで別れてそれぞれの道を行く。

闇と光という名の道。


それでも、ずっと愛してる。
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