originale

□少女ノ夢
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「あはははははははッ!!!弱いなー!世の中雑魚ばっかり!!コイツもやっぱ雑魚!口先ばっか!!!」


ただただ狂ったように笑う私

目の前には一人の亡骸

私の手に握られている刃物

なにをしたのかわからない

今喋っているのは私じゃない

誰?

今喋ってるのは誰なの?


「誰って、何言ってんの。私はアンタ」


違う・・・

そんなの私じゃない・・・!


「はぁ?じゃなきゃ誰なのさ」


それは・・・その!

でも私は!

私は人なんか殺さない!!


「・・・・・ハァー・・・アンタさ、よく死体の顔見てみなよ」



え・・・?

死体に目をやる

そこにいる死体は・・・・・・



私をはじめて受け入れてくれて

大好きだった愛しい人

「そう!ご名答!」


なんで?

ねぇ!!!なんでこの人が!!!

なんでよ!!なんで死んでるの!?


「だーかーらー、アンタが殺したの」


何言ってるの!?

殺してなんかいない!!

アンタが殺したんでしょ!?

なんでツナを!!!


「・・・・そろそろさ、わかったらどうなの?くどいって、私がアンタでアンタが私、だから私がコイツを殺せば自然的にアンタが殺したことになる、OK?」


ふざけないで!!!

私の質問に答えて!!


「アンタの質問?あぁ、なんでコイツを殺したのか?」


そう!応えてよ!!


「そんなの笑っちゃうくらい簡単な話」


・・・・・・?


「コイツが悪いんだもん」


なに・・・言ってるの・・?

この人の・・・この人のどこが悪いの!?

この人はやさしくて

よくドジなこともするけどそれも可愛くて・・・

一緒にいると楽しくて・・・


幸せだったのに!!!!

なんで!!?


「コイツが私を裏切ったから」


・・・・・・え?


「だからコイツが私を裏切ったの」


そんな・・・

そんなはずないよ!!!

この人は・・・・・・この人は!!

私のこと知ってくれて

それでも笑顔で・・・優しくしてくれて・・・

裏切るなんて絶対・・・!!!!


「その期待を彼は裏切ったの」


そんなはずない!!!!


「あぁもう!!信じなよ!!私だって信じたくない!!アンタが信じられないことは私にも信じられないことなの!!だけど実際それが起こってるの!!!」



・・・・・・・・じゃぁ私は・・・

またあの暗闇に戻るって言うの!?

せっかく見つけた光には裏切られて・・・

またあそこに戻るって言うの!?


「そうならないようにこいつを殺したの」


っ・・・!!!


「解ってくれた?」


わ・・・わかんないよ!!!

だからってこの人を殺すことない!!

たとえ演技だとしても・・・


あの優しさ・・・嬉しかったのに!!!!


「甘いの、アンタは」


!?


「人を信じすぎ、同じアンタとして泣けてくる」



なんでよ!!!

何言ってるの!!!

だってこの人は!!!!


あの人h「うっさいな!!!もういい加減解ったら!?コイツはね、アンタのこと大切になんか思っちゃいなかった!!すべてが出鱈目!!すべてが演技!!!私を陥れるための計画!!!!」


そんなはずない!!!


「もうそろそろ納得して!!私だって・・・私だって悲しいの!!!」



・・・・・・・・え?


「私はねアンタの心の奥の奥に住んでたもう一人のアンタ、人は皆心ん中にもう一人の自分がいるの。私はそのもう一人のアンタ・・・説明の意味、わかるよね?」



う・・・うん



「でさ、私もアンタなわけだからアンタの気持ちがよーーく解るわけ、コイツといたときの嬉しさとか、まぁ色々ね・・・だからさ・・・コイツが私を裏切ったってついさっき知ったとき泣きたかった、恨みに駆られた、だけどアンタは意気地がない、だから私がアンタに変わって・・・あの闇に戻りたくなくて・・・コイツを殺めたの」



・・・・・・・・貴方は・・・・・私のために?

そのためにこの人を!!!?



「・・・・そうだよ、正式に言えば私達のため・・・さっきから言ってる通り私はアンタなんだから」



だからってこんなこと・・・


「・・・私だって、悪いと思ってる・・・」


じゃぁなんで!?

「そうするしかなかったから!!」


だからって・・・・

殺すこと・・・


「・・・きっとこれ以上私達が話しても埒があかない、アンタに体、返すね」



え?



















「・・・・・・あ・・・・れ?私・・・元に?さっきまでのあの私は・・・?ねぇ、心にいるの?」


答えは、返ってこない

嗚呼、夢だったのか

そうだ

そのはずだ

私が2人いるはずがない

そうだ

いつも通り

あの人も私を裏切ってなんかいない

明るい笑顔で私に・・・・・



そう考えて歩き出す

柔らかいものが、私の足に触れた

下を見ればそこにいるのはやっぱり




私の愛しい人



「・・・・あは・・・あははは・・・そうだよね・・・夢なはず・・・ないもんね・・・あはははは・・・」



                    ザクッ




心臓目掛けて、握っていた刃物を突き刺す

あの人がいなければ

闇に戻ろうと戻らなくても

悲しいだけだ

だから私は死ぬことを選択した

もう一人の私には申し訳ないが、命をここで終わらせる


胸からぽたぽたと零れ落ちる真っ赤な血

じわじわと痛みが襲ってくる

「死」というものを実感する



あぁさようなら

さようなら

もう一人の私

愛しい貴方

裏切られたのは悲しくて

許しがたいけど

でも私は・・・・・・・・



































ワタシハ・・・・・・・・





(貴方のことが、好きでした)

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