テニスの王子様
□スピードスターが通ります。
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「謙也くん」
「うおっ!?な、なんや」
「これ放送してくれない?」
「お、おん」
「ありがとう」
最近、同じクラスに好きな子ができた。
その子の名前は名無し。
めっちゃ優しくてかわええ。
あとよく昼に流す曲を持ってきては俺に頼んでくれる。
まあそれで好きになったわけだ。
「いい加減告白したらええやん」
「ぎゃっ白石!」
「ぎゃって…傷つくやんか」
「す、すまん」
白石は謙也の想いを知っている数少ない人物だ。
「いつ告るんや?」
「いつって…」
「早よ告れや」
「でっできるわけないやろ!!」
「…ヘタレ」
「うっさいわ!!…つかあの子は俺のことなんとも思ってないんやから、フラれるに決まっとるやろ!!じゃあ俺は放送室行って来る!」
謙也はもの凄いスピードで走って行った。
白石はため息をついた。
「……鈍すぎやろ…」
呆れた様子で後ろにいる謙也の想い人を見やる。
名無しは赤くなった顔を隠すように顔を手で覆っていた。
「名無しちゃんも早よ告ればええやん。…今のでわかったやろ?」
「……」
「はあ―っこれやから奥手とヘタレは…」
スピードスターて自分で言うてるくせになんで告白は遅いんや。
あ、ヘタレやからか。