テニスの王子様

□スピードスターが通ります。
2ページ/3ページ




「謙也くん」

「うおっ!?な、なんや」

「これ放送してくれない?」

「お、おん」

「ありがとう」




最近、同じクラスに好きな子ができた。
その子の名前は名無し。

めっちゃ優しくてかわええ。
あとよく昼に流す曲を持ってきては俺に頼んでくれる。

まあそれで好きになったわけだ。




「いい加減告白したらええやん」

「ぎゃっ白石!」

「ぎゃって…傷つくやんか」

「す、すまん」



白石は謙也の想いを知っている数少ない人物だ。



「いつ告るんや?」

「いつって…」

「早よ告れや」

「でっできるわけないやろ!!」

「…ヘタレ」

「うっさいわ!!…つかあの子は俺のことなんとも思ってないんやから、フラれるに決まっとるやろ!!じゃあ俺は放送室行って来る!」



謙也はもの凄いスピードで走って行った。


白石はため息をついた。

「……鈍すぎやろ…」

呆れた様子で後ろにいる謙也の想い人を見やる。
名無しは赤くなった顔を隠すように顔を手で覆っていた。

「名無しちゃんも早よ告ればええやん。…今のでわかったやろ?」

「……」

「はあ―っこれやから奥手とヘタレは…」














スピードスターて自分で言うてるくせになんで告白は遅いんや。
あ、ヘタレやからか。




次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ