テニスの王子様
□俺様何様跡部様
2ページ/4ページ
動くことができず、ただ固まっているとふいに浮遊感に襲われた。
見えるのは跡部と‥天井?
ん?
跡部に持ち上げられている‥
いやこれは抱き上げられている…
なんだコレ…
てかコレってアレでしょ??
俗に言う―
お姫様だっこ。
「…ぁぁああ跡部!??」
「なんだよ」
「何してるの!?」
「運んでやろうとしてんだよ」
「いいから!大丈夫だから!」
「お前体が熱いぞ。熱があるんだから大丈夫じゃないだろう」
「いやいやいや!!!この熱はあんたのせいだよ!!!!……………って、」
「…………」
何言ってるんだあ―!!!!
正真正銘の馬鹿はあたしだ―――!!!!
鈍い跡部でもこれには気づくだろうね!!
いや気付いて!!!
てか跡部が喋ってくれないと気まずいんだが…
そっと跡部を見てみる。
「あれ、」
跡部が固まっている。
め、珍しい…!!!!
今日はレア日だ!!!
てか跡部固まってても落としたりしないんだね。うん、流石は跡部。落としたらあたしが大変な(怒り狂う)ことになるってわかってるんだから!君こそ王者だよ!笑
暫くして復活したらしい跡部は、フッと笑った。
「そうか、名無しお前…
…俺様のファンだったんだな」
「ちげぇ――――――!!」
「照れるなよ」
「うわ―何コイツ――!!」
鈍い!
パネェぞコイツ!!!?
鈍さも王者だよコイツ!!!
なんなんだよコイツ!!?
跡部は自分の考えに満足した様子で廊下に出た。
勿論お姫様だっこのまま。
幸いにして人はいないが、恥ずかしいことに替わりはない。
「ぉおおろしてアホ部!」
「何故だ」
「なぜ!?なぜに何故!!!」
1泊おいて、ほのかに頬を染めた跡部はとんでもないことを言った。
「離れたくないんだよ…馬鹿が」
「―え?」
跡部今…なんて言った?
目を見開く事しかできない。
跡部はいきなり、
「名無し、慰労会の内容はお前にまかせる」
と言った。
「――だが、」
「だが?」
「最後に、俺様からの発表と入れておけ」
跡部の発表??
またしょーもないこと言うのかな?
跡部が歩くのをやめた。
見てみるとそこは保健室。
「おろすぞ」
「う、うんありがt」
ベッドに優しくおろされたかと思ったら、
「ちょ、何一緒に寝ようとしてんの!スケベ!変態!」
何故か隣にIn。
しかも向かい合って。
「ど―とでも言え。起きるまでに慰労会の内容を考えておけ」
「寝るのに考えるの!!?てか腰に手をおくんじゃない!」
さりげなく置かれた手に文句を言いながらもどかすことはない。
むしろどかしたくない。
…なんか跡部の手は安心する。手の場所はアレだが。
「…スー…」
「あ、跡部?」
返事はない。
そっと髪を撫でる。
意外と柔らかい…
それに良い匂いもする。
ドギマギしながら、静かに呼吸する。
そして手を頬へと持っていき、
「跡部………
……バカ」
そして眠りに落ちた。