僕の彼女は○○*
□スマイリー酒井と夢見がち彼女
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「なぁ、名前」
「はい、酒井さん!」
「……その、この状況は一体…」
「はい?」
「いやだから、…なんでそんなに俺の腕引っ張ってくるの?」
「え、気のせいですよー」
「うん、明らかに気のせいじゃないよね。今まさに俺の右腕ぐいぐい引っ張ってるよね」
「えーー??」
「いやいやいや、ちょ、ちょっと!」
「んーーー??」
「いや、んーー?じゃなくて!そんな引っ張ったらソファから落ちるって!」
「あ、ちょっと酒井さん!なんで起こしちゃうの!」
「まったく…危ないだろ…。いきなりどうしたんだよ」
「だってー…」
「だって?」
「だって………酒井さんに襲われたかったんだもん!!」
「……え?」
「酒井さんって優しくて穏やかでにこやかでしょ?」
「う、うん?そう、なのかな…?」
「そうなんです!!でもこないだ峠で走ってる酒井さんの事見てたら、なんていうか、その…。
にこやかな表情の中にも燃える闘志というか!男の野獣感が!あって!!」
「はぁ…。」
「いつもは優しい酒井さんなのに…あんなかっこいい酒井さん見ちゃったら……」
「………」
「乙女なら誰だって襲われたくもなりますよ!!」
「ならないね」
「ええ!!?どうして!!?
私だったら急に欲情した酒井さんに押し倒された挙句、『…どうされたいのか、その口で言ってみな?』なんて耳元で囁かr「囁かないね」…えええ!!?」
「残念だけど、俺そんなキャラじゃないから」
「えーえー、なんでーーー!酒井さんに押し倒されて甘いセリフ囁かれたいですーー!」
「……そんなに襲われたいの?」
「襲われたいです!!」
「はぁ…俺はどうすればいいの」
「やってくれるんですか!!?やった!」
「(これでも可愛い彼女のお願いだしな…)
とりあえず……こう?」
ドサッ…
「………」
「………」
「………」
「…ちょっと名前」
「……は、い…」
「自分から言ったんだから照れないでくれる?こっちまで恥ずかしくなるだろ」
「だってだって!酒井さんかっこいい!!押し倒し方がスマート過ぎてかっこいい!!顔見れない!」
「……はぁ……」
【スマイリー酒井と夢見がち彼女】
この後詳しくは言えないほどこっ恥ずかしいセリフを強要された。
その都度照れて喋れなくなる名前を可愛いと思ってしまう俺も中々の末期だと思う。