『時と時の狭間で』

□出会い
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「くっそ〜!今日は本当についてないぜ!…報酬の金額は安いし、まともな依頼も無いし…挙げ句の果てには衛兵に追いかけられて…何なんだよ、全く」

愚痴を散々言いながら夜のクラドを歩いて行くのは、茶髪で茶色のコートをはおった貧乏探偵マキシミン・リフクネだった。


「金さえあればなぁ」

ドンッ!


「うおっ」

「わぁっ」

前を向いてなかったマキシミンは、赤いベレー帽をかぶった、これまた前を向いてなかった人物とぶつかってしまった。


「いってぇなぁ…」

「な、何だよ!先にぶつかったのは、そっちだろう!?」

「ぶつかるのに先も後もねーよ。お前がちゃんと前を見て歩いてないのが悪いんだろ、お坊ちゃん」

人の事を言えないと思うのだが、そんなことも気にせず責め立てる。


「な!?まあいい。君と遊んでる場合じゃないんだ。僕は先を急いでるんだ!じゃあね!」

「ああ、二度と会わないように祈っとくよ!」

早足で赤いベレー帽をかぶった少年は何処かに行ってしまった。


「チッ、今日は本当ついてねぇ。さっさとシャドウ&アッシュに戻って報酬もらうか。期待はできねぇけど」

そう言いながら、クラドのワープポイントに行き、シャドウ&アッシュのあるナルビクまで飛んだ。


「ったく…これじゃ、酒が飲めないどころか、生活することもできないんじゃねぇのか?」

1人でぶつぶつ言いながらも、傭兵ギルド『シャドウ&アッシュ』に向かっていた。


「依頼片付けて来たぞ〜」

「お帰りなさい」

入り口でマキシミンに声をかけたのは、受付のベクレール。あまり表情を表に出さない、言わばポーカーフェイス。


「よぉ」

「言葉を慎んでください」

「はいはい」

注意されているのに全く反省せずに適当に流している。


「そういえば。あなたに新しいペアができましたよ」

「ペアか…」

「ルベリエ様がお呼びでしたから、行ってみてはどうですか?」

「ああ、わかった」

さらに奥へと向かい、ルベリエがいる所についた。


「来たか。」

「あ、お前は!」

「ん?あの時の女々しい奴!」

「知り合いだったのか?」

「知り合いじゃねぇよ、こんな奴」

「知り合いじゃありません、こんな人」

2人は相手を差しながら同じようなことを同時に言った。
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