『FINAL FANTASY\』

□霧の大陸
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「姫様を返すのである!」

目の前には巨大な花のような怪物。その後ろには黒髪の少女が気絶していた。


「話の通じるような相手じゃない!」

花のような怪物は、太いツルを振り回しながら、地面に叩きつけた。


「くるぞ、ビビ!」

「う、うん!」

怪物が地面にツルを叩きつけたのが、ジタン達が攻撃する合図だったかのように一斉に攻撃にかかった。一国のお姫様を助けるために。


「う、うわぁ!」

突如、ビビに向かって、一本の太いツルが振り下ろされそうになり、悲鳴を上げ、目を瞑った。何処にも痛みが無いのを確信してから恐る恐る目を開けると、ジタンとスタイナーがビビの前に立ち塞がり、それぞれの自分の愛用の武器で防いでいた。


「大丈夫か、ビビ!」

「うん、大丈夫…ありがとう!」

「ついでだ、ビビ!あいつに向かって黒魔法を放ってくれ!」

「わかった!」

魔力を集中させ、精神統一し始めると、周りの空気が一気に張りつめた。


「ファイア!」

花の怪物の根元の辺りから炎がボワッと広がり、花の怪物の周囲を包み込むようになった。その怪物は、あまりの熱さに悲鳴を上げ、炎が消えると、一瞬、硬直したように固まった。


「やった…?」

「いや、まだだ…」

「何故、そうだとわかるのだ?」

「コイツが魔の森の主なら…こんなに簡単には、やられないはず…!」

怒り狂った怪物は激しくツルを地面に叩きつけ始めた。


「くっ…!」

怪物のツルのうちの一本がスタイナーに向かって一直線に振り下ろされた、が…。


「おっさん!諦めるの早いって!」

そう言いながら、ジタンはツルがスタイナーに触れるのを愛用の武器『ダガー』で防いでいた。


「す、すまぬ…」

「くっ…!」

とうとう、怪物のツルの圧力に耐えられなくなり、体力が限界寸前まできてしまったジタン。…とその時。


「危なっかしくて見てられねーな!どいてな、俺が手本を見せてやる!」

突如現れた謎の赤髪の男は、ジタンが防いでいたツルを、構えた愛用の剣で一刀両断した。


「ブランク!」

「油断するな!」

この掛け声に皆は武器を構え直し、体勢を整えた。


「くっ、賊に助けられるとはな…」

「今は、そんなこと気にしてる場合じゃないだろっ!」

確かに、ジタンの言う通りであった。
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